「三つ子の魂百まで」と昔のことわざがあります。数えの年なので、2歳ということでしょうか、乳幼児の施設を預かる者として、このことわざは、とても意味深く受け止めています。乳児院は「通過施設」ということをおっしゃる方もいるし、「つなぎの施設」という方もいます、確かに、側から見たらそう言うことでしょう。一昔前は入所でしたが、今は、一時保護での入所に変わってきています。35名中14名の一時保護数というのも、すごいことです。いわゆる、家庭か、入所かで待機している人数になります。不安定な状況に置かれている現実があります。
私たち、施設の養育に携わる者は、たった一日でも共に過ごすことになれば、子の不安を取り除き、安心・安全を第一で共に在る者になります。それゆえに、幾日も、幾年月も共に過ごすことになれば、思いや願いを練り込んだ関りの塊になっています。養育者の口真似や所作まで似てくることもしばしばです。早い時期に、家庭養育の中で育つことが望まれる所以でしょう。
里親家庭に求められることは、何でしょうか。里親家庭の方が思いを持ち、子の将来を考え、思いを巡らせ、社会で元気に生きてくれることを願うところは、社会的養護下の施設も里親家庭も変わらないと考えます。一時保護的にお受けできる乳幼児を専門にできる里親家庭が増えていくといいですね。本年も、子どもの近くで思いや願いを探りながら共に歩んでいけると嬉しい限りです。
都留 和光